Kasugai

第3回 黒あめバトンキャンペーン 深くてやさしいエピソード受賞作発表

特賞

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おはぎ応募者:坂本ユミ子さん / 監修絵本作家:中垣ゆたか

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中垣ゆたか

北九州市小倉生まれ。現在東京都町田市在住。帝京大学経済学部卒。2005年からイラストを描き始め、雑誌や書籍、CDジャケット等で活動。2013年『ぎょうれつ』(偕成社)で絵本作家としてデビュー。『こどものとも うさおとかめきちのマラソンたいかい』(福音館書店)、『いろどろぼう』(金の星社)、『人体ジェットコースター』(ポプラ社)、『デンタウン』(世界文化社)ほか多数。

中垣ゆたか

北九州市小倉生まれ。現在東京都町田市在住。帝京大学経済学部卒。2005年からイラストを描き始め、雑誌や書籍、CDジャケット等で活動。2013年『ぎょうれつ』(偕成社)で絵本作家としてデビュー。『こどものとも うさおとかめきちのマラソンたいかい』(福音館書店)、『いろどろぼう』(金の星社)、『人体ジェットコースター』(ポプラ社)、『デンタウン』(世界文化社)ほか多数。

原作者 坂本ユミ子さんの受賞コメント

母が亡くなって二十七年になります。母との大切な思い出が、素敵な絵本になりました。思い切って応募してよかったです。

中垣ゆたか先生に「美味しそうなおはぎを描いてください」とお願いしたら、ほんまにおいしそうなおはぎの絵だったので、すごく嬉しかったです。

私は二歳のときに交通事故で父を亡くしました。父のことは何も覚えていませんが、さびしくありませんでした。母がいてくれたから―母は私の両親でした。

母もきっと、天国で喜んでくれているでしょう。

応募時の400字エピソード

タイトル:おはぎ

私が小学一年生の時のこと。学校から家に帰ると母がいた。母は台所で椅子に座っていた。
「どうしたん?仕事は?」
「今日はもう終った」
声が暗かった。私も椅子に座り、しばらく二人でどんよりしていたが、突然、母が言った。
「おはぎ作ろう!」
小豆をコトコト煮込む。ザラメを入れてさらにコトコト。仕上げに塩を少々。炊きたてのご飯を半殺しにして、小さく丸めてアンコで厚化粧。母と二人、黙々と手を動かす。おはぎが山ほど出来た時、母も私も笑顔になっていた。 父が交通事故で亡くなった時、姉は六歳と四歳、私は二歳だった。母は女手一つで三姉妹を育ててくれた。
「辛いことで胸が一杯になった時、よくおはぎを作った」
大人になってから母から聞いた。祖母もそうだったらしい。母も祖母とおはぎを作ったのだろう。先日、久しぶりにおはぎを作った。コトコトと小豆の煮える音と香りが私をあの時に連れてゆく。
母も祖母も、もういない。

絵本作家の中垣さんより

今まで他の人のお話に絵を描くことはなかったので、僕の絵が合うかどうか心配でした。
でも「おはぎ」というお話を初めて読んだ時に、すぐ絵が浮かび、描き始めたら意外としっくりきたと思います。
原案者さんのお話に引っ張られていい作品に出来上がりました。ありがとうございます。

受賞作一覧

おはぎ

坂本ユミ子さん応募 / 監修絵本作家 中垣ゆたか

くろあめ王子

有薗花芽さん応募 / 監修絵本作家 加藤休ミ

ハグのまほう

ぴろろんさん応募 / 監修絵本作家 平田昌広