ラムネいろいろ

ラムネいろいろ新聞NEWSPAPER

2021.09.10

【子どもと遊ぼう その2】子どもが「向かっていく力」を身につける方法とは?親が心がけること【幼児養育専門家インタビュー】

いろいろインタビュー

西川教授インタビュー 前の記事のご紹介

前の記事はコチラから:【子どもと遊ぼう その1】最近注目の「遊びと非認知能力」について【幼児養育専門家インタビュー】

子どもが「向かっていく力」を身につける遊びとは?

非認知能力、つまり「向かっていく力」を身につけるためにもっとも大事なのが「遊び」です。
一言で遊びといっても、遊びの質が重要です。

私たちが子どもの頃は、学校の帰りに公園や神社に集まって、年齢の違う子たちと一緒に遊んでいました。どうやったらおもしろい遊びができるかを、自分たちで考えるわけです。それが遊びに向かっていく力になるんです。その力の根底となるのが、5歳までの幼稚園や保育園での遊びです。

たとえば知識や技術などの獲得を意識した、悪しき早期教育的な遊びは、そのほとんどを保育者がすべて用意をして、先生から子どもたちに働きかける保育ですが、これでは向かっていく力は身につきません。

一方で、子どもは自由に遊びを楽しんでいるのですが、子どもが何に関心を持っているのかを保育者が側でじっくりと見極め、子どもが自らやってみたいと思うような声かけをする保育者がいる環境が理想的です。自由感が溢れていますが、決して野放しではないのです。

同じことが家庭でも言えます。一番大事なことは、親が一緒に遊び、楽しむことです。

子どもが向かっていく力を身につけるためには、親が教えてしまうのではなく、親も子どもと一緒に真剣に遊びに関わることが大事なんです。こんな経験をさせたいと思ったら、やりなさい!ではなく、親がまずモデルになって楽しそうにやることで、子どもは楽しそうだなと思って、向かっていきます。

自宅で過ごす時間が否応なしにも増えている、今こそがチャンスです。自然豊かな場所にわざわざ出かけなくてもいいんです。近所へ買い物に行く道中でも、子どもはさまざまな発見をします。「ダンゴムシだ!」「あら、ダンゴムシね。また後で見に来ようね。早くお買い物に行くよ!」と言っていませんか?果たして本当に後でまた見に行きましたか?

「本当ね」や「何か白いものがついているけどなんだろう。たまごかな?」、「何だろうね。1個だけ?たくさんついてる?」と、一緒に真剣に観察してみる。そんな時間を少しでいいのでつくってほしいのです。

その時、その瞬間を子どもと一緒に楽しむことが、子どもの非認知能力を培っていくのだと思います。

 

今回はここまで。
西川教授の最後のインタビューは【子どもと遊ぼう その3 五感は非認知能力の起爆スイッチ】です。
お楽しみに!

 

西川正晃教授の略歴

■所属
岐阜聖徳学園大学教育学部

■教育学部担当科目
保育原理、保育内容総論、保育内容演習(表現)(環境)、幼児教育学、保育実習ⅠⅡ など

■略経歴
研究テーマは幼児期の遊びと学び・保育者養成、保幼小連携など。どのテーマも、保育実践を基盤としている。現在、保育実践を語る会「土曜の会」を月一回主催。おてて絵本普及協会岐阜県支部事務局(西川研究室)

■所属学会
日本教育方法学会、日本保育学会、日本乳幼児教育学会、全国幼児教育研究協会、日本保育者養成教育学会