Kasugai春日井製菓株式会社

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おかしなサマースクール

おかしなサマースクール2025 コラボレーション 共創

企業の端材が子どもの創造性を育てる。おかしなサマースクールから山吹小学校へ広がる循環型教育の実践

Photo by 山吹小学校、河原 利也(マドラス株式会社)、伊藤 遥(FabCafe Nagoya)、谷口 利典
Text by 勝又 裕子(春日井製菓 おかしな実験室)

企業の生産活動においてやむなく出てしまい、捨てられる運命にある「端材(はざい)」。「おかしなサマースクール(通称おかサマ)」では毎年、この端材が、子どもたちの工作の材料として大活躍しています。そんなおかサマ企業提供の端材が、このたび新たな学びの場へ飛び出しました!行先は、名古屋市の教育改革『Nagoya School Innovation』を牽引するモデル校・山吹小学校です。同校で2025年11月に開催されたアートフェスティバルでは、大人では思いもよらない素敵な作品が完成したのでご紹介します。

おかしなサマースクールとは?

おかしなサマースクール」とは、業種も職種も異なる企業が協力し合い、意外性と納得性のある「おかしな」なイベントを作り上げる学び合いのコミュニティです。2025年は46社が共創し、118名の運営メンバーで27のイベントを企画・運営しました。おかサマの特徴は、イベント開催のノウハウを身に着けるだけでなく、準備や運営を通じて共創企業の社員自体が成長し、企業の体質改善につながる点にあります。またイベントが終わった後も、企業同士のコラボは自由自在。2025年の夏、端材イベントの企画で仲間になった企業や人が、山吹小学校とのコラボを実現させました。

5社の端材が教育現場で輝く。企業の想いを乗せた素材たち

今回、山吹小学校へ寄贈された端材は、おかしなサマースクールの共創企業5社から提供されたものです。

おかしなサマースクール

おかサマでは捨てられてしまう運命にある端材を「子どもたちの学びに活かす」ためのイベントを企画しました。今回は山吹小学校全校児童という、より多くの子どもたちに端材を提供することで、地域や教育への貢献もかなう貴重な機会となりました。

端材が子どもたちの創造性を解放。山吹小学校での活用事例

では実際に山吹小学校では、端材はどのようにして使われたのでしょうか。先生方にもご協力いただき、一部事例をご紹介します。

マドラスの革:秋の落ち葉に変身した柔軟な発想

落ち葉に見立てた色とりどりの素材。中にひっそりたたずむのがマドラス提供の「革」素材

山吹小学校の松田先生によると、マドラスから提供された端材「革」について、こんなコメントをいただきました。

当初は「革を貼る」用途しか想定していませんでした。しかし子どもたちは製作当時の「秋」という季節性を活かし、革を切って落ち葉に見立てるアイデアを生み出しました。子どもたちからは、こんな喜びの声も寄せられました。

「本物の落ち葉だと教室が汚れちゃうから、きれいに使えるのがよかったです。好きな形に切ったり、色を選んだりできるのも楽しかった!」

本物の落ち葉では実現できない自由度や色鮮やかさを、靴を作るときに出る革の端材が実現してくれました。

健康薬湯の入浴剤:絶妙な色彩表現を可能に

おかしなサマースクール

絵の具で色水作りをしようとしていたグループにとって、入浴剤の端材は、子どもたちの想像力を掻き立てる絶好の素材となったようです。

「入浴剤はペットボトルに入れ、カラフルな色水を作りました。緑色と桃色を合わせたときは、どんな角度から見てもふたつの色が濁らず、オーロラのように見えました。入れる水の量を変えてグラデーションにもしました。入浴剤の色や水の量で色の違いが明らかになり、とても面白く、楽しく製作することができました」

絵の具では実現できない透明感と、入浴剤ならではの溶けやすさが子どもたちの好奇心を刺激しました。

名古屋眼鏡のレンズとめがねふき:光の物理現象を可視化したアートに
おかしなサマースクール

多数のレンズをイワシに見立て「イワシのトルネード」という壮大な作品を完成させた子どもたち

おかしなサマースクール

捨てられてしまう端材が、子どもたちの手にかかると、こんな素敵なアートに変身!

山吹小学校の松田先生からは以下のようなコメントをいただきました。

「子どもたちが『メガネのレンズ』を使って、光の屈折やキラキラする感じを生かした作品に仕上げたのには驚きました。めがね拭きの形をいかして利用する子どももいて、発想の豊かさに感心するばかりでした」

その他の素材:可能性を広げる多様な選択肢

他にもコクヨのクレヨンや椅子の生地、春日井製菓のパッケージを巻いていた紙管、マドラスの靴のプラ木型、名古屋眼鏡のサングラスなど、今回寄贈された多様な端材は、子どもたちの創造性を大いに刺激。

「そんな使い方ができるんだ!」と大人が驚く使い方で、作品作りを楽しんでいたそうです。松田先生からは

「その他の端材も、より美しく、加工もしやすく手配してくださったのも助かりましたね。」

という言葉もいただきました。

企業と学校が「関係ある人」に。顔の見える共創の価値

松田先生からのコメントで印象的だったのは、企業の姿勢についての評価です。

「今回初めて企業の方から端材をいただき、学校だけでは決してできなかった素材使用の機会や、斬新な表現がたくさん生まれました。材料を送ってくださるだけではなく、フェスティバル当日もみなさんが見に来てくださったり、余った端材を回収しに来ていただいたり。その際、いろいろなお話ができましたし、至れり尽くせりで…本当にありがとうございました!」

単なる物資提供だけではなく、企業が学校に足を運び、対話を重ねることで嬉しいご縁がつながりました。子どもたちからも

「どれも本来は捨てられてしまうものなのに、きれいに使うことができて良かったです。企業のみなさん、端材を使わせてくれて、ありがとうございました!」

という声が寄せられました。

双方向の価値交換で、愛知をもっと元気に!

今回の取り組みは、おかサマ共創企業のFab Cafe Nagoyaの伊藤 遥さんと、おかサマに個人枠で参加された谷口 利典さんがリードしてくれたものです。伊藤さんは、教育者としてのバックグラウンドをもち、現在企業と学校の連携した教育を企画しているFabCafe Nagoya コミュニティマネジャーとしてご活躍です。山吹小学校・アートフェスティバルへの端材提供は、単なる素材提供では終わりません。おかサマで端材イベントのリーダーを務めたマドラス株式会社の河原 利也さんは、山吹小学校の教頭先生および松田先生との対話を通じて、新たな連携の可能性を見出しました。

「山吹小学校の教頭先生、アートフェスティバルご担当の松田先生と色々お話させて頂いた時に『夏休みに端材で工作するイベントがあったのですか?』とご質問をいただいたので、おかサマで実施した端材イベントのお話をさせていただきました。次回のおかサマで端材イベントを行う際は是非学校に紹介してほしいとのことでしたので、2026年のおかサマには山吹小学校の生徒さんがたくさん参加してくれるかもしれませんね。」

今回のつながりは一方向の支援ではなく、双方向の価値交換となりそうなのも嬉しいポイントです。マドラスの河原さんはさらに、継続的な関係構築への意欲を語りました。

「逆に、今回行われたアートフェスティバルが毎年恒例の行事になるようでしたら、企業としても出来る限りご協力させていただきますというお話もしてきました。今回、谷口さんや伊藤さんからこの話をつないでいただいて参加出来たイベントですが、おかサマと同様、この先もご縁を大切にしていけたらと思っています」

おかサマでは、人と人のご縁を大切に、業種も立場も異なる人たちが、ひとつのプロジェクトを通じて仲間になり、継続的に協力し合う関係を築いていきます。そんな文化が、教育現場との連携にも広がっていくことは、この上ない喜びです。

保護者への企業認知という副次的効果も

今回の取り組みには、もうひとつの嬉しい側面がありました。河原さんはこう振り返ります。

「小学校ではアートフェスティバルを参観していた保護者の方が、端材の説明ボードをじっくりご覧になっていたのを見ました。子どもたちの学びを支援すると同時に、親御さんに企業の取り組みや姿勢を知ってもらう良い機会になりました」

企業、学校、子どもたち、そして保護者という4者の新たなつながりが生まれた瞬間でした。

おかしなサマースクールが描く未来「循環する学びの関係性」

今回の山吹小学校への端材提供は、おかサマの取り組みが単発のイベントとして終わらず、学校や子どもたちへ、学びの価値が循環していく可能性を示しました。

おかサマ共創企業は夏のイベントで使った端材を学校に提供し、子どもたちは創造性を発揮して新たな作品を製作。先生方は企業との連携によって従来できなかった教育プログラムを実現することができたと言います。学校はおかしなサマースクールのイベントを子どもたちや保護者に紹介し、企業は学校のアートフェスティバルを支援する…そんな続いていく循環型の相互支援は、愛知や名古屋の未来を明るく照らすと感じています。2026年のおかサマも、今からとても楽しみです。

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