おかしなくらいおかし好きおかしなはなし【第2回 高蔵寺ニュータウン沸く湧くサミット】~このまちを熱くする人と語る未来~
【第2回 高蔵寺ニュータウン沸く湧くサミット】~このまちを熱くする人と語る未来~
2025年12月6日(土)に高蔵寺ニュータウン・グルッポふじとう体育館にて「第2回 高蔵寺ニュータウン沸く湧くサミット」が開催されました。この日の高蔵寺の最低気温はマイナス1℃。しかし、まちを盛り上げる人たちの沸く湧くの熱気もあり、14時の開始時点では会場である体育館はストーブが必要ないほど温まっていました。

高蔵寺を盛り上げる人たちが一体となってポーズ!
「高蔵寺ニュータウン 沸く湧くサミット」は春日井製菓とUR都市機構が共催したトークイベント。地域で活躍する9名の登壇者が、それぞれの活動と未来への想いを語りました。
1. 誰もが頼まれてもいないのに、街のために動き出した人たち
トークセッション① コミュニティとマーケットで繋がりを作る

角田 祥江さん(左)、北川 雅健さん(中央)、水上美晴さん(右)
水上美晴さん(まちつく部 部長/NPO法人あいちかすがいっこ 副代表/ママの文化祭®︎ 実行委員長/ハンドメイドユニット「Rukko」)は、0〜3歳の親子支援の仕事をしながら、約1年前に立ち上がった市民団体「まちつく部」の部長として活動。高蔵寺ニュータウンを「テーマパーク」に見立て、まちを楽しくする活動を展開しています。昔ながらの祭りを復活させることで、子どもたちに楽しい思い出を残したいと語ります。将来的には「まちつく部」が自分たちで収益を上がられるようにしていきたいと目標を語りました。
北川 雅健さん(よりみちcafeカフェマスター/kozojiキャラバン)は、2020年にキッチンカーで起業し、コロナ禍を経て高蔵寺を拠点に。2025年7月に「kozojiキャラバン」を設立し、約20台のキッチンカーネットワークで地域イベントを支えています。高齢化で継続が難しくなった自治会の夏祭りやクリスマスイベントを引き継ぎ、「小さい頃にあったお祭りを、今の子どもたちにも」という想いで活動中です。
角田 祥江さん(ANGLE COFFEE 副代表/KOZOJI ICONIC MARKET主宰)は、静岡出身で8年前に高蔵寺に移住。KOZOJI ICONIC MARKETは、小さなマーケットから始まり、今ではグループでの大規模開催に。市外からの来場者に「団地はレトロでおしゃれ」と伝え、高蔵寺にまずは来てもらい、そして住んでもらうことを目指しています。協賛金を集めながら、持続可能なイベント運営に挑戦中です。
故郷は「生まれた場所ではなく、帰りたくなる場所ではないか?“楽しい”を作りたい。そして、それを経験してくれた子供たちが楽しいを作ってくれるようになるといい。」という言葉に共感しました。
トークセッション② 食と居場所で支え合う地域を作る

左から、村田盛太郎さん、毛利規寛さん、木全奈穂さん、船戸敬太さん、原智彦
毛利 規寛さん(一般社団法人 Pay for World/えがおの駄菓子屋)は、岩成台団地で駄菓子屋を運営し、高齢者から子どもまでが集える居場所づくりを実践。神奈川県藤沢市や名古屋市中川区にも仲間ができ、活動が広がっています。現在28団体とネットワークを形成し、「子どもの居場所・体験づくり」を提供しています。居場所ステーションでボランティアの方を取りまとめて、ボランティアの‟人の”リソースを共有。ボランティア(人材)や資金を分け合う仕組みを構想中です。
木全 奈穂さん(株式会社クレメンティア/ちいき食堂 厨)は、毎月第3日曜日に岩成台でちいき食堂を開催。18歳まで無料、大人200円で誰でも参加でき、基本相席なので自然と会話が生まれます。本業は高齢者デイサービスと障がい児の放課後等デイサービス。「人が集まると嬉しい」という想いで、共済金・寄付・助成金で運営していますが、中核メンバー5人の負担が大きく、より強固な組織づくりを目指しています。
船戸 敬太さん(fk.spice株式会社 代表取締役/介護タクシー go out taxi代表)は、介護タクシー事業を通じて「地域のライフライン」を目指しています。車椅子や寝たきりの方の移動支援だけでなく、祖父母孝行として野球観戦ツアーなども企画。「Take it easy(思ったより簡単だよ)」を合言葉に、規模を拡大して安心・安全なサービス提供体制の強化を図っています。利用者が普段できないことを実現する姿を見た瞬間に、大きなやりがいを感じています。
トークセッション③ 発酵文化と福祉で未来を耕す

左から、村田盛太郎さん、生川誠さん、治郎丸慶子さん、高下陽平さん、原智彦
高下 陽平さん(麹屋「米と糀」主宰)は、本業のレコーディングエンジニアをしながら、玉野町で米作りと麹づくりを展開。農家や発酵文化の家系ではなく、ゼロから始めました。お味噌の仕込み会を2〜3年前から開催し、参加者が自分たちでも味噌作りを広める活動をしていることに喜びを感じています。知識を共有し、日本の発酵文化を次世代に伝える活動です。
治郎丸 慶子さん(社会福祉法人まちスウィング 代表)は、27年にわたり福祉とまちづくりの融合に取り組んできました。「どんな人でも参加できるまちづくり」を理念に、お祭りやイベントを通じて「楽しさ」を提供。ハンディキャップは社会とのハードルの高さであり、誰もが楽しめる環境づくりが重要だと語ります。
生川 誠さん(介護施設紹介センターHapLife/株式会社DH 役員/駄菓子屋にこにこ)は、施設紹介センターを2024年に立ち上げ、URと連携した居住支援も展開。年金だけでは生活できない高齢者の支援や、本当は「家にいたい」という想いに応える在宅生活支援を2025年2月から開始予定。駄菓子屋にこにこでは子どもたちの居場所づくりも行い、多世代が交流できる場を提供しています。
2. 「使命感」ではなく「ワクワク」が原動力

これからも高蔵寺ニュータウンを湧き立たせます!
登壇者全員に共通していたのは、誰にも頼まれていないのに自ら動き出したという点です。親としての想い、地元への愛着、利用者の人生が変わる瞬間への感動、それぞれの原動力は異なりますが、みな「悲壮感」ではなく「ワクワク」を感じながら活動しています。
北川さんは「小さい頃のお祭りを今の子どもたちにも」と語り、角田さんは「どこに行っても知り合いがいる」状態に喜びを感じています。船戸さんは、普段あちこち痛いとボヤいていてなかなか立とうとしない利用者のおばあちゃんが、孫の結婚式では何も言わずにスッと立ち上がった瞬間をサポートできた際などに「いい仕事ができた」と実感。木全さんは「人が集まると嬉しい」とシンプルに表現しました。
毛利さんは「資本主義の頭」を持ちながらも、リソースを共有し困っている団体を支える仕組みを構想。「Take it easy(思ったより簡単だよ)」という船戸さんの合言葉は、一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。
それぞれの登壇者が抱いていたのは、一人では続けられないという現実と、横で連携することの重要性です。ボランティアのネットワーク、資金の分配、情報の共有…「共通言語」を持つ人々が繋がることで、個人の限界を超えた活動が可能になります。
3. 団地味ラムネプロジェクトと未来への投資

団地味ラムネプロジェクトチームと水上美晴さん
このサミットを共催した春日井製菓とUR都市機構の「団地味ラムネプロジェクト」は、2024年6月にスタート。高蔵寺ニュータウンの幸せな思い出を21文字×3行で募集し、715件が集まりました。これらのうち300件の思い出を300種類のラムネとして個包装のパッケージに印刷し、それらを詰め合わせたものを1口200円の寄付の返礼品として提供。集まった寄付金は全額、まちをワクワクさせる活動資金として提供されます。
このラムネは一般販売されず、まちを元気にする活動そのものがラムネの価値を高めていくという、ユニークな仕組みです。URと春日井製菓で週に1回、2時間半〜3時間の会議を重ね、本気でまちの未来を考えています。
UR都市機構はウェルフェア推進課を設置し、高齢者中心から多世代が長く住める街づくりへとシフト。人口減少時代において、企業との連携を通じた新たな価値創出を目指しています。

8種類の団地名が入ったパッケージに、300種類の思い出が記された個包装が入っています。
4. 最後に

高蔵寺ニュータウンに興味がある多くの方が来場されました
参加者の一人が語った言葉が印象的でした。
「子どもたちの未来のために、少しでもより良い社会を残したい。人口が減っても豊かに過ごせる地域社会を作りたい」
高蔵寺ニュータウンでは今、誰に頼まれたわけでもない人々が、それぞれの得意なことを活かしながら、未来を耕しています。お祭り、食堂、キッチンカー、駄菓子屋、介護タクシー、麹づくり等々、多様な活動が横で繋がり、支え合う。それが新しいコミュニティの形です。
あなたも、一歩踏み出してみませんか?
各団体の活動は、インスタグラムやYouTubeで発信されています。まずはフォローして、イベントに参加してみてください。そして、団地味ラムネプロジェクトへの寄付も、街の未来への投資になります。
Take it easy 思ったより簡単ですよ。

水上美晴さん https://www.instagram.com/kozoji_matitsukubu/
北川雅健さん https://www.instagram.com/yorimichi_cafe_/
角田祥江さん https://www.instagram.com/kozoji.iconic.market/
毛利規寛さん https://www.instagram.com/egao_dagashi
木全奈穂さん https://www.instagram.com/chiikisyokudo.kuriya/
船戸敬太さん https://youtube.com/@waku_kaigo_out?si=894fDTtZjeqA1Anw
高下 陽平さん https://www.instagram.com/kometokoji
治郎丸慶子さん https://www.instagram.com/nokishtaplace
生川誠さん https://www.instagram.com/nico.nico92943/
この体験記を書いてくれた人&写真・動画を撮ってくれた人
執筆
高木宏幸 |Hiroyuki Takagi
春日井製菓おかしな実験室メンバー
写真・動画撮影
野村 優さん |Yu NOMURA
昭和54年生まれ。岐阜県出身。人物、商品、建築、料理、映像などを撮影するプロカメラマン。大学でグラフィックデザインを学んだのち、レコード製作/販売会社、オンライン音楽配信会社、ECサイト運営会社を経て独立。野村優写真事務所を開設。2014年7月、「さぁ、みんなでカメラ楽しもう!」をテーマに「撮れる。魅せる。伝わる。カメラ講座」開始。岐阜、名古屋、東京、大阪、神戸ほか全国に展開中。
趣味は、ジャズのレコード収集、DJ、ハーブを使った料理。
素敵、かっこいい、面白い。そう思った時がシャッターチャンス。
その気持ちが写真に写り込むように。
https://yunomura.net


